中原中也・翻訳のすべて(ランボー以外の詩人たち)
中原中也が訳したフランス語の著作物は、
「中原中也全集 第3巻 翻訳」に全てが収録されていますから、
その全容を見ることができます。
ここで、同書の目次を見て、
全容を眺めておきましょう。
※「ランボオ詩集」については、原典の第2次ベリション版「ランボー著作集」との対比を示していますが、これは目次通りではありません。
まず、詩と散文に大別され
次に、生前に発表されたか、未発表かにそれぞれが分けられます。
生前発表は、詩集ごとか、単発をまとめて生前発表翻訳詩篇に、
未発表翻訳詩篇は、
残された草稿の形によって細かく分類され、
制作順に整理されています。
◇
【詩】
ランボオ詩集《学校時代の詩》
1 Ver erart
2 天使と子供
3 エルキュルとアケロュス河の戦い
4 ジュギュルタ王
5 Tempus erart
ランボオ詩集
<初期詩篇Premiers vers>
「感動」Sensation
「フォーヌの頭」Tête de Faune
▲「ソネット」Sonnet
「びつくりした奴等」Les Effarés
「谷間の睡眠者」Le Dormeur du val
「食器戸棚」Le Buffet
「わが放浪」Ma Bohème
●Les Douaniers
「蹲踞」Accroupissements
「坐つた奴等」Les Assis
「夕べの辞」Oraison du soir
●Chant de guerre parisien
●Paris se repeuple
「教会に来る貧乏人」Les Pauvres à l’église
「七才の詩人」Les Poètes de sept ans
「盗まれた心」Le Cœur volé
「ジャンヌ・マリイの手」Les Mains de Janne-Marie
「やさしい姉妹」Les Sœurs de charité
「最初の聖体拝受」Les Premières Communions
「酔ひどれ船」Bateau ivre
「虱捜す女」Les Cherecheuses de poux
「母音」Voyelles
「四行詩」Quatrain
「烏」Les Corbeaux
<飾画篇Les Illuminations>
▲「眩惑」Vertige
「静寂」Silence
「涙」Larme
「カシスの川」La Rivière de Cassis
「朝の思ひ」Bonne Pensée du matin
「ミシェルとクリスチイヌ」Michel et Christine
「渇の喜劇」Comédie de la Soif
「恥」Honte
●Mémoire
「若夫婦」Jeune ménage
「忍耐」Patience
「永遠」Éternité
「最も高い塔の歌」Chanson de la plus haute Tour
▲「ブリュッセル」Bruxelles
「彼女は埃及舞妓か?」Est-elle almée?
「幸福」Bonheur
▲「黄金期」Age d’Or
「飢餓の祭り」Fêtes de la Faim
「海景」Marine
●Mouvement
<追加篇Appendice>
「孤児等のお年玉」Les Étrennes des orphelins
●Le Forgeron
「太陽と肉体」Soleil et Chair
「オフェリア」Ophélie
「首吊人等の踊り」Bal des pendus
「タルチュッフの懲罰」Le châtiment de Tartufe
「海の泡から生れたヴィナス」Véus anadyomèn
「ニイナを抑制するものは」Ce qui retient Nina
「音楽堂にて」A la musique
「喜劇・三度の接唇」Comédie en trois baisers
「物語」Roman
「冬の思ひ」Rêvé pour I’hiver
「災難」Le Mal
「シーザーの激怒」Rages de César
「キャバレ・ヹールにて」Au Cabaret-Vert
「花々しきサールブルックの勝利」L’Éclatante Victoire de Sarresbruck
「いたづら好きな女」Le Maline
●Mes petites amoureuses
●L’Homme juste
<附録>
失はれた毒薬
<後記>
※目次にフランス語タイトルはありません。●は未訳、▲は未収録で、目次に記載はありません。
生前発表翻訳詩篇
アルテミス ネルヴァル
レ・シダリーズ ネルヴァル
セレナード ネルヴァル
未来の現象 マラルメ
プチ・テスタマン抄 ヴィヨン
デルフィカ ネルヴァル
黒点 ネルヴァル
饒舌 ボードレール
暦 ジッド
死人の踊 ジッド
神は、私の生れる時…… リード
誠意の女 デボルト=ヴァルモール
サアディの薔薇 デボルト=ヴァルモール
娘と山鳩 デボルト=ヴァルモール
未発表翻訳詩篇
ノート翻訳詩(1929年―1933年)
失はれた毒薬 ランボー ※現在では、ジェルマン・ヌーボーの作と判明しています。編者。
ソネット ランボー
谷の睡眠者 ランボー
プロローグ レッテ
Never More ヴェルレーヌ
美しき娘の碑銘 ルセギエ
Ⅳ(われ等物事に寛大でありませう) ヴェルレーヌ
Ⅴ(たをやけき手の接唇くるそのピアノ) ヴェルレーヌ
木馬 ヴェルレーヌ
デルフィカ ネルヴァル
黒点 ネルヴァル
セレナード ネルヴァル
レ・シダリーズ ネルヴァル
去にし代の婦人等の唄 ヴィヨン
翻訳詩ファイル(1929年―1933年)
(彼女は帰つた) ランボー
ブリュッセル ランボー
彼女は舞妓か? ランボー
幸福 ランボー
IntèrmedeⅡ カーン
黄金期 ランボー
航海 ランボー
翻訳草稿詩篇
眩惑 ランボー
序曲 ヴェルレーヌ
自然への供物 ノアイユ
墓碑銘 ヴィヨン
巴里 コルビエール
えゝ? コルビエール
天使 レールモントフ
詩人の刻限 カルコ
仲間 カルコ
謝肉祭の夜 ラフォルグ
でぶつちよの子供の歌へる ラフォルグ
はかない茶番 ラフォルグ
夜曲 クロ
子供の水車 グランムージャン
鐘と涙 デボルト=ヴァルモール
矜持よ、恕せ! デボルト=ヴァルモール
序詩 ボードレール
祝詞 ボードレール
【散文】
生前発表翻訳散文
トリスタン・コルビエール ヴェルレーヌ
マックス・ヂャコブとの一時間 ルフェーブル
ヴェルレーヌ訪問記 レッテ
オノリーヌ婆さん ルナール
ヂュル・ルナール日記抄 ルナール
ボオドレエル リヴィエール
ポーヴル・レリアン ヴェルレーヌ
ランボー書簡1 ドラエー宛
ランボー書簡2 ヴェルレーヌ宛
ランボー書簡3 ヴェルレーヌ宛
ランボー書簡4 バンヴィル宛
未発表翻訳散文
オーレリア ネルヴァル
アルテュル・ランボオ ヴェルレーヌ
ルイーズ・ルクレルク ヴェルレーヌ
ボオドレエルの天才 モークレール
◇
以上が
詩人・中原中也の訳業のすべてです。
専門の翻訳家でないにもかかわらず
エネルギーのかけ方が並大抵のものではないことが
伝わってきます。