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生前発表詩篇〜初期短歌

2012/04/03

去年今頃の歌

 
91 吹雪夜の身をきる風を吹けとごと汽車は鳴りけり旅心わく
92 出してみる幼稚園頃の手工など雪溶の日は寂しきものを
93 犀川(さいがわ)の冬の流れを清二郎も泣いてききしか僕の如くに
94 来てみれば昔の我を今にする子等もありけり夕日の運動場(母校に来て)
95 みつめたる石を拾いて投げてみる此の我が心虚を覚ゆ
96 ふるき友にあいたくなりて何がなし近くの山に走りし心!
97 静かなる春近き日の午後の池に杭の影して冷たそうなり
98 向う山に人のぼるみゆジラジラと春近き日の光まばゆくて
99 珍しき冬の晴天に凍溶(いてと)けし泥に鷄ながながとなく
100 紅くみゆるともしのつきて雪の降り静かに眠る冬の夕暮
101 出でゆきし友は帰らず冬の夜更灰ほりみれば火の一つあり
102 一段と高きとこより凡人の愛みて嗤(わら)う我が悪魔心
103 火廻りの拍子木の音に此の夜を目ざめて遠く犬吠ゆを聞く
104 暗(やみ)の中に銀色の目せる幻の少女あるごとし冬の夜目開けば
105 夜明がた霜ふみくだき道ゆけば草靴片足打ち捨てありぬ
106 小さき雲動けるが上の青空の底深くひびけ川瀬の音よ

107 猫をい抱きややに久しく撫(な)でやりぬすべての自信滅び行きし日
 

冬の日暮るる頃

 
82 玄関に夕刊投げし音のしぬ街道静かに夕せまる頃
83 吹雪する夕暮頃の路ゆけば農家の燈(あかり)見えずさびしも
84 一つ一つ軒の灯火(ともしび)ともりつつ雪ピッタリと止みにけるかも
85 一筋の路に添いたつ電柱の多くはみえず雪降れば寂し
86 ひねもすを鳴き疲かれたる鳥一羽夕の空をひたに飛びゆく
87 冬空の夕べ飛びゆく鳥の声野に立ちきけばさびしさのわく
88 湯を出でて心たらえり何もかも落ち付きはらう心なるかも
89 さびれたる冬野の中をうねりうねる畦路(あぜみち)遠く雪おける見ゆ

90 舟人の帆を捲く音の夕空にひびき消えゆき吾(われ)内に入る
 

 
67 夏の日は偉人のごとくはでやかに今年もきしか空に大地に
68 俄(にわ)かにも雲りし夏の大空の下に木の葉は静かにゆらぐ

69 去りてゆく別府の駅の夜はさびし雨降り出でて汽笛なりけり

70 人みなを殺してみたき我が心その心我に神を示せり
71 世の中の多くの馬鹿のそしりごと忘れ得ぬ我祈るを知れり
72 我が心我のみ知る!といいしまま秋の野路に一人我泣く
73 そんなことが己の問題であるものかといいこしことの苦となる此頃
74 やわらかき陽のさして来る青空を想いて悲しすさぶ我が心
 

偉大なるもの

 
53 地を嗅ぎてもの漁(あさ)る犬のその如く夕の公園に出でては来しが
54 夕暮の公園の池の水静か誰一人いず石落としみる
55 大河に投げんとしたるその石を二度みられずとよくみいる心
56 静かなる河のむこうに男一人一人の我と共に笑みたり
57 偉大なる自然の前の小さき人間吹くハモニカの音もなさけなし
58 限もなき空の真下の木の下に伏して胸苦し何が胸苦しきか

59 海原はきわまりもなし明日はたつこの旅の地の夕焼の空
60 砂原に大の字にねて海の上(へ)のかき曇る雲に寂漠をうったう
61 大いなる自然の前に腕組みてはむかいてみぬ何の為なるか
 
62 欠伸(あくび)して伸ばせし腕の瘠(や)せており寝覚悲しき初夏の朝
63 陽光の消(きえ)しばかりの夕空に煙は登る川辺にたてば

64 蚊を焼けどいきもの焼きしくさみせず悪しきくさみのせざれば淋し

65 可愛ければ擲(なぐ)るといいて我を打ちし彼の赤顏の教師忘れず
66 山近き家に過ごしし一日の黙せし故の心豊かさ
 

五月

 
52 昼たちし砂塵(さじん)もじっと落付きて淡(うす)ら悲しき春の夕よ 
 

春の日

 
47 麦の香の嬉しくなりて麦笛を作りて吹けり一人ゆく路
48 人気なき古き貸屋に春の陽の細くさし入り昼静かにも
49 友ところぶれんげ田に風そよ吹きて汽車の汽笛の遠く鳴るなる
50 朝までは雨の降りしに家々のいらか乾きて風強き街
51 心にもあらざることを人にいい偽りて笑う友を哀れむ日
 

 

<お手軽テーマ別アーカイブ>
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未発表詩篇〜草稿詩篇(1937年)
その他の詩篇

<「山羊の歌」再読>
「生活者」から「初期詩篇」へ
きらきら「初期詩篇」の世界
ギロギロする目が見た「小年時」
はるかなる空「みちこ」
死んだ僕を僕が見ている「秋」
冬の時代へ「羊の歌」

<面白い!中也の日本語>
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冬の歌

 
45 橇(そり)などに身の凍るまで走りてもみたかり雪の原さえみれば
 
46 遠ざかる港の町の灯は悲し夕の海を我が船はゆく
 

 
38 ユラユラと曇れる空を指してゆく淡き煙よどこまでゆくか
39 白き空へ黒き煙のぼりゆけば秋のその日もなお淋しかり

40 的(あて)もなく内を出でけり二町ほど行きたる時に後を眺めぬ
41 ただジっと聞いてありしがたまらざり姿勢正して我いいはじむ
42 腹たちて紙三枚をさきてみぬ四枚目からが惜しく思わる
43 見ゆるもの聞ゆるものが淋しかり歌にも詩にもなりはせざりき

44 天下の人これきけというざまをして山に登ればハモニカ吹けり
 

小芸術家

 
37 芸術を遊びごとだと思ってるその心こそあわれなりけれ
 

春をまちつつ

 
35 梅の木にふりかかりたるその雪をはらいてやれば喜びのみゆ
36 人にてもチッチッいえば雲雀(ひばり)かと思える春の初め頃かな
 

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