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鈴が鳴る

ー小川未明ー

あれあれ鳴る、鈴すずが鳴る。
水で鳴る、空で鳴る、雲で鳴る。

あれあれ鳴る、鈴が鳴る。
路(みち)で鳴る、丘で鳴る、森で鳴る。

月夜の晩に、
白い馬が、
銀(しろがね)の鈴を鳴らしてきた。

どこから、どこまで鳴らしてゆく。
西から、東へ、
鳴らしてゆく。

いつから、いつまで鳴らしてゆく。
坊やがおねんねする間(あいだ)。

りんりん、りんりん、
鳴らしてゆく。

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