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にじの歌

ー小川未明ー

こちらの森から
あちらの丘へ
にじが橋をかけた。

だれが、その橋
渡(わた)る。

からすが三羽(ば)に
乞食(こじき)が一人。

乞食はつえついて上がったが
からすは、あわてておっこちた。

落ちたからすはどこへいった。
夕焼けの空へ。

上がった乞食はどこへいった。
お星さまの世界へ。

にじが消えた。
にじが消えた。
下の町には火が点(つ)いた。

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