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ー小川未明ー
つばめが帰るとき真紅(まっか)な美しい夕焼けに、少年はらっぱを鳴らして遊んでいた。つばめがきたとき家の周囲(まわり)を幾たびも飛びまわった。すると、少年の吹いていたらっぱは窓の下に捨てられて、赤いさびがところどころに出ていて、泥に塗(まみ)れていた。