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ー室生犀星ー
ゆうがた
お食事の済んだあと
何気なくお庭に出て
若葉を見ていると
ふいに東京にいることが強く胸を打つ、
ここは自分の家でないこと
すぐに自分の家にもどれぬことに気がつく、
そして何処かで
誰かがうたをうたう。
ゆうがたは
人の心を誘うことが上手で
いつもわたしを困らせる。
(「東京詩集」より)
<ぜひ読んでおきたい! 心に残る短い詩>