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ー室生犀星ー
めざむれば、寂しやひとり
うぐいすの蒼き谷間に啼(な)き居れり
寂しや、ただに啼き居れり
朝はすずしく明らかによくぞ晴れたり
と見れば
谷あいの畑にいとも静かに
畑打つおみなあり
寂しやわれひとり山の温泉にありて
ものの本などを読む。
(「青き魚を釣る人」より)
<ぜひ読んでおきたい! 心に残る短い詩>