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あやめ

ー室生犀星ー

あやめ あやめ

白いあやめ

鶴のくちばしのようで

開くとひと声たかく啼き立つ。

あやめ あやめ

白いあやめは

あかつきに開いて

誰にも開いたところを

見せたことがない。

誰も見たことがない

白いあやめ

あやめの花。

 

(「東京詩集」より)

<ぜひ読んでおきたい! 心に残る短い詩>

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