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ひとりずつがべつにつくられ

ー室生犀星ー

おとことおんなのくべつの

何のかげんであんなのが生れたのだろう、

ひとりずつがべつべつにつくられ

べつの言葉とからだをもちながら

わずかな年月を隔(お)いてそして

また愉(たの)しく一しょになる、

誰のいたずらでもなく

命をかけてそれを守るということも

そのわかれめが美しいからだ、

そのわかれめを一生を通じて覗(のぞ)いて来たね、

べつべつにうまれたから会えたのだ。

 

(「女ごのための最後の詩集」より

<ぜひ読んでおきたい! 心に残る短い詩>

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