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ある人は

ー立原道造ー

ある人はうつくしい窓を持ち
椅子に凭(もた)れて眺めるというが
僕の窓には黒ずんだ埃ばかり
 
高い空を流れる雲の せめてあのあたりの
青い色をと思うのだが
いつかの日にはそれさえ曇天の灰色だった
 
いっそ潮風でも吹いて来て
海がひろがってくれればいい
この窓から ヨットに乗るんだ

<ぜひ読んでおきたい! 心に残る短い詩>

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