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芝の芽

ー土田耕平ー

芝の芽の萌えるころは

ふるさとの丘を思いだす

ゆるやかにふわふわと雲の浮かんだ

あの丘山を

犬ころが走り

凧があがり

ぼくらは寝そべっていたっけが

「どこへ行こうかな」

「大きくなったら」

「海へ――空へ――遠いところへ――」

誰やかれやみんな叫びあった――

芝の芽の萌えるころは

ふるさとの丘を思いだす

ゆるやかにふわふわと雲の浮んだ

あの丘山を

ああ誰もかれも

みんな大きくなっただろうな

 

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