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ー千家元麿ー
彼はどこにでも居る。
生命の火はどこにでも居る。
何処にでもめぐり、何処にでも隠れて居る。
気がつけば彼は露骨だ。
彼は水の中にもいる。魚となって水の中にいる
美くしい金魚となって瓶の中にも居る。笑いの中にも涙の中にも
彼は人々がいやがる雨の中にも、闇の中にもいる。
木の中にもいる。女や子供や犬や猫の中にもいる。
見よ、どこにでも彼はいる露骨なる彼は。
<ぜひ読んでおきたい! 心に残る短い詩>