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死の遊び

ー村山槐多ー

死と私は遊ぶようになった
青ざめつ息はずませつ伏しつまろびつつ
死と日もすがら遊びくるう
美しい天の下に

私のおもちゃは肺臓だ
私が大事にして居ると
死がそれをとり上げた
なかなかかえしてくれない

やっとかえしてくれたが
すっかりさけてぼたぼたと血が滴たる
憎(にく)らしい意地悪な死の仕業(しわざ)

それでもまだ死と私はあそぶ
私のおもちゃを彼はまたとろうとする
憎らしいが仲よしの死が
 
<ぜひ読んでおきたい! 心に残る短い詩>

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