ー萩原恭次郎ー
京橋あたりのレールの下に
生活があって家屋を立てていると云うのか!
たんぽぽは咲かないよ!
腕と眼のない顔と毛髪と腹部とが
コンクリートにまぜられては床をつくってゆく
アスファルトの街道!ゴム輪の自動車と人間が散らばっている!
車輪の流産とポールの合図!
足でさえも胴のあたりから何時のまにかもぎられ
歩っているままで埋められるか知れたものじゃない!
(萩原恭次郎「死刑宣告」(日本図書センター)Wikisouceより。現代仮名遣いに改めました。)
<ぜひ読んでおきたい! 心に残る短い詩>
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