« 卑怯者 | トップページ | 壁の中につっ立っている男 »
ー萩原恭次郎ー
日比谷のベンチで
雪と愛が悲しいSの字を描いてゐる
青い魚がどこともなく泳いで
空に寒い街並みが映っている
頭の中に恋人の欧文字があった
棄ててある蜜柑の皮は自らを嘲笑う赤い舌である!
(萩原恭次郎「死刑宣告」(日本図書センター)Wikisouceより。現代仮名遣いに改めました。)
<ぜひ読んでおきたい! 心に残る短い詩>