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恋の秋/「生い立ちの歌」その4

「生い立ちの歌」が「白痴群」に発表されたとき(第1次形態)には
「Ⅰ」の末尾に

     ★
暁 空に、雲流る
     ×
我が駒よ、汝は、寒からじか
     ×
吹雪のうち、
散る花もあり……

――という詩行がありましたが
「山羊の歌」で削除されました。
(「新全集」第1巻・解題篇より。)

「Ⅰ」と「Ⅱ」との間に
こうした詩行がはさまったままでは
ぼんやりしたものが残ってしまうとみなされて
思い切って排除したものでしょう。

「汚れっちまった悲しみに……」
「雪の宵」
――とのつながりが
この削除によってより明確になり
強化されました。

つぎに置かれた「時こそ今は……」への流れも
鮮やかさを増しました。

そして「雪の宵」も
「生い立ちの歌」も
「時こそ今は……」も
「秋」の章に配置された意図がくっきりして来ました。

「汚れっちまった悲しみに……」が
「みちこ」の章に置かれた意図も
ここでいっそうはっきりして来ました。

生い立ちの歌

   Ⅰ

    幼 年 時

私の上に降る雪は
真綿(まわた)のようでありました

    少 年 時

私の上に降る雪は
霙(みぞれ)のようでありました

    十七〜十九

私の上に降る雪は
霰(あられ)のように散りました

    二十〜二十二

私の上に降る雪は
雹(ひょう)であるかと思われた

    二十三

私の上に降る雪は
ひどい吹雪(ふぶき)とみえました

    二十四

私の上に降る雪は
いとしめやかになりました……

   Ⅱ

私の上に降る雪は
花びらのように降ってきます
薪(たきぎ)の燃える音もして
凍(こお)るみ空の黝(くろ)む頃

私の上に降る雪は
いとなよびかになつかしく
手を差伸(さしの)べて降りました

私の上に降る雪は
熱い額(ひたい)に落ちもくる
涙のようでありました

私の上に降る雪に
いとねんごろに感謝して、神様に
長生(ながいき)したいと祈りました

私の上に降る雪は
いと貞潔(ていけつ)でありました

(「新編中原中也全集」第1巻・詩Ⅰより。「新かな」に変え、一部「ルビ」を加えました。編者。)

泰子との「恋」は「秋」にさしかかっていたのです。

「生い立ち」の中で歌われるほど
泰子は「歴史化」されました。

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