「むなしさ」からはじまった「在りし日の歌」<2>「むなしさ」が生まれた背景
「むなしさ」が作られたのは
大正15年(1926年)2月、
とする説が有力ですが
昭和26年発行の「創元社版全集第3巻」所収の「年譜」には
そのように制作日が記されてあるものの
同全集の編集・発行後に
元になったその原稿が紛失したため
印刷された制作日を信ずるほかになく
確定できるものではない
――と、新全集は慎重な見解です。
「創元社版全集」の記載が間違えることは
よほどのことがない限り
まずはないはずですから
「むなしさ」は
大正15年2月制作として
実際には認知され流布しています。
中原中也、長谷川泰子と手を携えて上京後1年。
上京後半年した頃
泰子は小林秀雄と暮らすことになり
独居生活がはじまりました。
そのさらに半年後の制作ということになります。
大正15年は1926年で
12月24日に大正天皇が崩御されて
翌日には昭和と改号された年です。
25日以降の7日間が
昭和元年で
昭和2年、1927年がすぐにはじまりました。
詩人の誕生日は4月29日ですから
「むなしさ」を歌った1926年2月は
まだ18歳ということになります。
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