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「むなしさ」からはじまった「在りし日の歌」<8>「在りし日の歌」冒頭詩へ

「むなしさ」は
昭和26年(1951)に発行された
創元社版全集第3巻では
大正15年2月制作と記録されていますが
この時に存在した初稿は現在では失われているため
初めて制作された日がいつであったか
確証するものはありません。
 
横浜を舞台にしているというところから
ほかの「横浜もの」と同じ時期で
さらに内容が冬を歌っていることから
大正15年2月の制作とみなされています。
 
この初稿が推敲されて
昭和10年の「四季」3月号に
発表されたものが初出となり
やがては
「在りし日の歌」に収録されて第二次形態になります。
 
「在りし日の歌」の収録にあたっては
詩集編集の当初から
「むなしさ」を冒頭に配置する計画でしたが
発行に至る間に
長男文也が急逝したことによって
「在りし日の歌」全体の構成を変えざるを得ず
急遽、「含羞(はぢらひ)」が冒頭に置かれることになり
「むなしさ」は2番目になったのでした。
 
こうして第2詩集「在りし日の歌」の
2番目に「むなしさ」は配置されたのですが
中原中也が
いかにこの作品に重きを置いたかを
知っておくことは無意味なことではありません。
 
「在りし日の歌」は
元はといえば
「むなしさ」にはじまったのです。
 
遠い過去の作品のうちの
最も近い作品として
「むなしさ」は
「在りし日の歌」の冒頭に配置されるべき詩でした。
 
 *
 むなしさ
 
臘祭(らふさい)の夜の 巷(ちまた)に堕(お)ちて
 心臓はも 条網に絡(から)み
脂(あぶら)ぎる 胸乳(むなち)も露(あら)は
 よすがなき われは戯女(たはれめ)
 
せつなきに 泣きも得せずて
 この日頃 闇を孕(はら)めり
遐(とほ)き空 線条に鳴る
 海峡岸 冬の暁風
 
白薔薇(しろばら)の 造花の花弁(くわべん)
 凍(い)てつきて 心もあらず
 
明けき日の 乙女の集(つど)ひ
 それらみな ふるのわが友
 
偏菱形(へんりようけい)=聚接面(しゆうせつめん)そも
 胡弓の音 つづきてきこゆ
 
(角川ソフィア文庫「中原中也全詩集」より)

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