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「白痴群」前後・幻の詩集11「秋の夜」

「秋の夜」も
「第1詩集用清書原稿群」の一つで
昭和3年秋の制作(推定)とされています。
 
この原稿群の中では
もっとも新しい制作とされている詩です。
 
 
秋の夜
 
夜霧(よぎり)が深く
冬が来るとみえる。
森が黒く
空を恨む。
 
外燈の下(もと)に来かかれば
なにか生活めいた思いをさせられ、
暗闇にさしかかれば、
死んだ娘達の歌声を聞く。
 
夜霧が深く
冬が来るとみえる。
森が黒く
空を恨む。
 
深い草叢(くさむら)に蟲(むし)が鳴いて、
深い草叢を霧が包む。
近くの原が疲れて眠り、
遠くの竝木(なみき)が疑深い。
 
 
昭和3年は
前年に河上徹太郎を知ったのを皮切りに
「白痴群」のメンバーのすべてを
次々に知った年です。
 
昭和2年末から
河上徹太郎を介して音楽集団「スルヤ」との交流がはじまり
諸井三郎や内海誓一郎を知って
昭和3年3月には
大岡昇平を小林秀雄を通じて知り
大岡宅で古谷綱武を知り
5月には
村井康男宅で阿部六郎を
大岡昇平を通じて富永次郎を
9月には
安原喜弘を大岡昇平を通じて知ります。
 
まさしく「白痴群」前夜でした。
 
 
5月には
「スルヤ」発表会で「臨終」「朝の歌」が初演されました。
同じ月に、父・謙助が死去。
また同じ月に、小林秀雄は長谷川泰子と別れました。
 
 
1月に
「幼かりし日」を書き
4月に
「Me Voilá」
12月に
「女よ」が書かれました。
 
 
そして9月には
豊多摩郡下高井戸(現東京都杉並区)に転居
ここで関口隆克、石田五郎と共同生活をはじめました。
 
武蔵野の一角を占める
昭和初期のこのあたりは
現在では想像を超えた
田園風景が広がっていました。
中原中也は
しばしばその自然をモチーフにして
詩を歌いました。
 
「秋の夜」もその一つです。
 
 
森が黒く/空を恨む。
暗闇にさしかかれば、/死んだ娘達の歌声を聞く。
近くの原が疲れて眠り、/遠くの竝木(なみき)が疑深い。
 
――といった表現が地に着いてきました。

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