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「一筆啓上、安原喜弘様」昭和9年6月5日

「手紙76 6月5日 (封書、速達)」は
「昨晩は失礼」とはじまる手紙ですから
「手紙75」を投函して2日後には会ったことになりますが
2日後といわず
1日後に会わなかったとも断言できないことも念頭に入れて読みたい手紙です。
 
「速達」で出さねばならなかったこの手紙には
泰子(佐規子)に関することと
論文に関することが書かれています。
 
泰子や彼女の子どもの茂樹については
前日2人が会った時にも話題にしたらしいのですが
その時に話さなかったことを帰ってから話す気になったのか
それとも、自宅に帰ってから山岸氏の訪問を受けたのか
それとも、詩人不在中に、家人、つまり孝子夫人が山岸氏から聞いた話なのか
(花園アパートの知人を通して聞いたと考えられなくもありませんが)
「泰子入院」その他の情報で「頭が一杯」になって
安原へ緊急に報告したということのようです。
 
 
緊急を要したから、すなわち速達ということではないのかも知れませんが
「詩とその伝統」をテーマにした論文については
前夜、多くを語ったにもかかわらず
まだ言い足りない感じが残り
自分の考えを確認するかのように
安原へ書き送った印象です。
 
全文を読みます。
 
 
昨晩は失礼、今日生徒が来る日ナノヲ忘れていましたし、医者ノ宅診が午前中だけなので此の手紙午前中に出すことが出来ませんでした
 
山岸氏が来られての話しには佐規子が入院しているとのことです 病名岸さんにもよく本人が話さぬようです もう2週間入院しているそうです、金を出す人は(岸さん以外の)人がいるようです、癒ればその人とのことやなんかで、ちょっとゴタつくようです 岸さんもゴク 遠くから見ているだけで、今度ハ本人自身に整理させるようしむけることとしました 茂樹の方は岸さんが引受けるそうですから大変有難い。
――いや一寸、今日此のことで頭が一杯なんで書きました。
 
昨夜は論文論文と少し論文のこと云過ぎましたが、書くにしても詩の範囲にトドメますし、あまり論文は書きたくありません 手をひろげてはガサツになるばかりと思っています
                           怱々
   6月5日                      中也
 
(講談社文芸文庫「中原中也の手紙」より。「行空き」を加え、「洋数字」に変えました。編者。)
 
 
「山岸氏」や「岸さん」は
建築家山岸光吉のこと。
昭和4年に渡仏し、7年に帰国。
(「新全集」第5巻・解題篇)
 
「泰子の保護者の一人」と安原のコメントは明瞭です。
 
 
安原は
佐規子のことと論文のこととを均等に扱い
読者へストレスを感じさせずに案内しています。

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