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「一筆啓上、安原喜弘様」昭和7年7月27日、8月5日

7月26日の次に安原宛に寄せられたのは
翌27日付けのはがきです。
 
 
「手紙43 7月27日(はがき)」
(※新全集では「104」です。)
 
偶(たま)に来る行商が、鮎を持って来ましたからお送りします
例の祇園祭りが、(8日間続くのですが)今日でおわりです 昨日晩は行って、花火をかいました 中学の時の同級生で、今は少尉殿であるのに会って、一緒にビールを飲みました 何処にいるかと云いますから、「外語の夜学」といいますと、「夜学かア」といわれたんでガッカリしました。田舎では夜学といえば、東京の3倍くらいわるい響を持っています。それでも5、6日ぶりで人と一緒に飲む僕は、愉快なことでありました。さかんに悪口を云ってやりますと、微苦笑をしておりました。げに落伍者というものは、悪口を云う権利のある、所以です。
 
 
のんびりとゆったりとした口ぶりが滲(にじ)んでいるような便りです。
リズムのようなものがあり、ずーっと聞いていたくなるような語りです。
ここまでで半分です。
後半を読んでみましょう。
 
 
蝉の音のほか、何にも聞えません、寝ころんでいますと、何だかいたずらにかなしくなって来ます 飛行機にでも乗って飛び出したい気持と、このままジッとしていたい気持と、両々相俟(あいま)って湧いて来ます。詩を書こうと思えば、いくらでも書けそうです。だが万事急がないことにしています。出来るだけのんびりと、のんびりと怠けていよう、そう思っております、いたずらに唾するものは生気を失う――貝原益軒先生が、僕には身に沁んでありがたくあります。いたずらに唾するものは生気を失う。蝉の声のほかなんにも聞えません。ナムアイダ、ナムアイダ。
                                     さよなら
 
 
次は「手紙44 8月5日」。
山口、湯田からの封書です。
(※新全集では「106」。安原が言及していない8月4日付けの空の封書があり、「105」と確認されています。)
 
 
 僕事、毎日あんまり刺戟がないので、――それが半ばやりきれないことなので、自分で落付いてるんだか憔立(いらだ)ってるんだか分らないような気持です。明日からは高森の所へ行きますので、好いです。
 それで明日からの居所は 宮崎県東臼杵郡東郷村山陰 急行がないので、13、4時間かかります、関門海峡を渡るのがたのしみです                   怱々不備
 5日                                  中也
 
 
のんびりが退屈に変わり
その状態がやりきれないことなのか
苛立っていることなのか
わけがわからないとボヤキが入っています。
 
このボヤキの根源に
詩集の捗々しくはない進行のことがあったのか。
なかったともあったとも断定できません。
 
それも年下の詩人・高森文夫の実家――宮崎や
2人で行く天草への旅が紛らわしてくれるはずです。

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