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鳥が飛ぶ虫が鳴く・中原中也の詩7「早大ノート」から

中原中也の「未発表詩篇」に現われる動物(鳥獣虫魚)を
「早大ノート」からピックアップしていきます。
 
「早大ノート」には
1930年から1937年の約8年間に作られた詩42篇が収録されています。
1930年は昭和5年で中也23歳
1937年は昭和12年で30歳、没年です。
 
<早大ノート(1930年―1937年)>
 
「干 物」
干物の、匂いを嗅(か)いで、うとうとと
秋蝉(あきぜみ)の鳴く声聞いて、われ睡(ねむ)る
 
「Qu'est-ce que c'est que moi?」
私のなかで舞ってるものは、
こおろぎでもない、
秋の夜でもない。
 
(吹く風を心の友と)
私がげんげ田を歩いていた十五の春は
煙のように、野羊(やぎ)のように、パルプのように、
 
(支那というのは、吊鐘の中に這入っている蛇のようなもの)
支那というのは、吊鐘(つりがね)の中に這入(はい)っている蛇のようなもの。
日本というのは、竹馬に乗った漢文句調、
いや、舌ッ足らずの英国さ。
 
日本はちっとも悪くない!
吊鐘の中の蛇が悪い!
 
「細 心」
そなたは豹にしては鹿、
鹿にしては豹(ひょう)に似ていた。
 
(汽笛が鳴ったので)
冗談じゃない、人間の眼が蜻蛉(とんぼ)の眼ででもあるというのかと、
昇降口では、二人の男が嬉しげに騒いでいた。
 
空は青く、飴色(あめいろ)の牛がいないということは間違っている。
 
(七銭でバットを買って)
山の中は暗くって、
顔には蜘蛛(くも)の巣が一杯かかった。
 
(僕達の記臆力は鈍いから)
あの頃は蚊が、今より多かったような気がする。
 
(南無 ダダ)
植木鉢も流れ、
    水盤も浮み、
 池の鯉はみな、逃げてゆく
 
(月の光は音もなし)
月の光は音もなし、
虫の鳴いてる草の上
月の光は溜(たま)ります
 
虫はなかなか鳴きまする
月ははるかな空にいて
見てはいますが聞こえない
 
虫は下界のためになき、
月は上界照らすなり、
虫は草にて鳴きまする。
 
やがて月にも聞えます、
私は虫の紹介者
月の世界の下僕(げぼく)です。
 
「こぞの雪今いずこ」
鴉声(あせい)くらいは聞けもすれ、
薄曇りせる、かの空を
 
 
文脈を排除して
動物だけを見ると、
 
秋蝉(あきぜみ)
こおろぎ
野羊(やぎ)
鹿
蜻蛉(とんぼ)
蜘蛛(くも)
鴉声(あせい)
――となります。
 
 
 

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