ツイッター

  • 中原中也(bot)
    (詩の全文が読めるリンク付)
  • 「中原中也」に関するツイート

末黒野

中原中也全詩集

  • おすすめ本

広告

中原中也詩集

  • おすすめ本

« 夜更の雨/ベルレーヌへの途上で<8>ベルレーヌ「凄絶、孤独の晩年」 | トップページ | 夜更の雨/ベルレーヌへの途上で<10>ラフォルグ翻訳のかすかな反響 »

夜更の雨/ベルレーヌへの途上で<9>中也が歌う「雨の中のベルレーヌ」

「夜更の雨」は
 
――ヱ゛ルレーヌの面影――
 
と副題(エピグラフではなく)を置いて
冒頭行からして
 
雨は 今宵も 昔 ながらに、
  昔 ながらの 唄を うたつてる。
 
と、雨を歌いだし
その雨が歌う歌を歌いだします。
 
中原中也が
いま眼前に見ている雨は
(想像の中の雨でもよいのですが)
ヴェルレーヌが歌った雨であり
ヴェルレーヌが歌った雨は
ランボーの思い出を歌った雨でもあります。
 
その雨は
ランボーが
雨はしとしと市(まち)にふる。
と、歌うように
だらだら だらだら しつこいほどなのです。
 
だらだらだらだらしつこい雨が降っているのを
ぼーっとして詩人が眺めいっていると
ふっとヴェルレーヌの巨漢が
背中を見せて路次を行くのが
見えたのです。
 
倉庫は
横浜の埠頭のものでしょうか
それとも
銀座か新宿あたりの路地裏の倉庫でしょうか
 
路次を行くのは
ヴェルレーヌ一人で
ランボーの影は見えませんから
このヴェルレーヌのイメージは
マッチルドと離婚し
ランボーとも破局し
孤独な旅を行く
エトランゼのヴェルレーヌでしょうか
 
中原中也は
明らかに
孤影を帯びたヴェルレーヌに寄り添い
無一物のヴェルレーヌに仮託して
いつしか自らも
倉庫の間の路次を行きます
 
この路次を抜けさえすれば……と
そうたやすくは抜けられないことが分かっている雨の道を
シャンソンの一つ嘯(うそぶ)く勢いで
ヱ゛ル氏に成り代わり
また詩人自らを
鼓舞(こぶ)する啖呵(たんか)を切ってみせるのです
 
いくら速いからって車なんぞに用事はないよ
どんだけ明るいからってガス燈なんかも要るもんか
 
俺にゃあ
酒場の灯りの、あの腐った目玉よ
ほら、あっちのほうでは、セイミも鳴ってらあ
 

« 夜更の雨/ベルレーヌへの途上で<8>ベルレーヌ「凄絶、孤独の晩年」 | トップページ | 夜更の雨/ベルレーヌへの途上で<10>ラフォルグ翻訳のかすかな反響 »

スポンサードリンク

「山羊の歌」〜羊の歌

未発表詩篇〜ダダ手帖(1923年〜1924年)

おすすめ本

中原中也の手紙から

中原中也の手紙

ランボー詩集

  • おすすめ本

中原中也が訳したランボー(はじめに)

ランボー詩集〜附録

ランボー詩集〜後記

ランボー〜ノート翻訳詩

ランボー〜翻訳草稿詩篇

ランボー