中原中也のオノマトペ5 発表詩篇まとめ
「山羊の歌」「在りし日の歌」「生前発表詩篇」と
中原中也が公開(発表)した詩に現われるオノマトペを
順にピックアップしてきました。
実際にどのように使われているのかを見るために
前後の詩句を丸ごと取り出しましたが
ここで発表詩篇のオノマトペだけをおさらいしておきます。
修飾と被修飾の関係など詩の流れを省略して見ておきます。
◇
「山羊の歌」から。
「春の日の夕暮」
ヌメラン
ポトホト
「サーカス」
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
劫々(ごうごう)
「都会の夏の夜」
ラアラア
「黄 昏」
こそこそ
「ためいき」
パチン
「秋の夜空」
すべすべ
「少年時」
ギロギロ
「盲目の秋」
なみなみ
うねうね
「わが喫煙」
にょきにょき
わんわん
むっと
「雪の宵」
ふかふか
「憔 悴」
ゴミゴミゴミゴミ
◇
「在りし日の歌」から。
「夜更の雨」
だらだら だらだら
「六月の雨」
しとしと
「春の日の歌」
うわあ うわあ
「湖 上」
ポッカリ
ヒタヒタ
「秋日狂乱」
ヒラヒラヒラヒラ
とろとろ
「雲雀」
ぐるぐるぐる
ピーチクチク
あーおい あーおい
「思い出」
ポカポカポカポカ
「残 暑」
ブンブン
「曇 天」
はたはた
「一つのメルヘン」
さらさら
「月の光 その二」
こそこそ
「村の時計」
ぜいぜい
「或る男の肖像」
そわそわ
「正 午」
ぞろぞろぞろぞろ
ぷらりぷらり
「春日狂想」
ゆるゆる
パラパラ
ぞろぞろ
◇
「生前発表詩篇」から。
「嘘つきに」
ビクビク
「ピチベの哲学」
イライラ
「倦 怠」
へとへと
「秋を呼ぶ雨」
へとへと
つるつる
だらだら
「漂々と口笛吹いて」
漂々(ひょうひょう)
ゆさゆさ
ひょろひょろ
すれすれ
「現代と詩人」
ゴミゴミ
さんさん
「郵便局」
ガラン
クスリ
どっか
すっかり
ジックリ
「幻 想」
すっかり
「かなしみ」
ほそぼそ
ながなが
「北沢風景」
ジックリ
「聞こえぬ悲鳴」
しらじらじら
「道修山夜曲」
ジットリ
「渓 流」
ビショビショ
「道化の臨終(Etude Dadaistique)」
あわあわあわ
ジッと
「夏」
ミンミン
◇
末尾に「と」がつく場合が多いのは
副詞的(連用修飾)に使っているからでしょうか。
動詞を修飾する場合がほとんどです。
ここではその「と」を略しました。
「する」「の」をつけて形容詞(連体修飾)として使う場合もありますし
「ビクビクする」「イライラする」のように動詞としても使われています。
ここでは「する」「の」も省略しました。
そのほうがくっきりと見えてくるものがありそうだからです。
◇
「冬の雨の夜」のaé ao, aé ao, éo, aéo éo! は
オノマトペに分類するのは無理とわかりましたので削除します。
ほかにも無理矢理オノマトペとして採取したものがあるかもしれません。
その逆もあるかもしれません。
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