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夜更の雨/ベルレーヌへの途上で<8>ベルレーヌ「凄絶、孤独の晩年」

ヴェルレーヌとランボーの「愛の物語」は
1871年9月ランボーからの第一信にはじまり
10月の初対面から
1873年7月の発砲事件まで
2年に満たない期間のものでした。
 
ヴェルレーヌは27歳から28歳という年齢で
ランボーより丁度10歳年上でした。
 
無一物になったヴェルレーヌは
その後、再びマッチルドとの和解を試みたり
ランボーとの復旧を試みたりしますが
いずれも失敗。
 
詩人との交友を広げたり
教職に就いたり
生徒の一人に愛情を抱いたり
農園を営んだり
母親に加害し下獄したり
……
相変わらずのデカダンで
ボヘミアンで
アウトローで
波乱万丈な暮らしを続けているうちに
病(=関節水腫)を得て
各地での施療を繰り返すなど
凄絶(せいぜつ)ともいえる孤独の旅を続け
……
一方で
詩人としての名声を高め
何冊かの詩集を世に問いましたが
1896年(明治29年)、
52歳で生涯を閉じました。
ブリュッセル発砲事件から
20余年の歳月が流れていました。
 
以上が
ヴェルレーヌの生涯のアウトラインです。
あくまでアウトラインですから
事象と事象との間には
無数の時間が流れていたことを想像する必要があります。
「ヴェルレーヌ詩集」(堀口大学訳、新潮文庫)には
所収の年譜がありますから
それで補足するのもよいでしょうし
もっと詳しくヴェルレーヌについて知りたいのなら
研究書、参考書にあたるのもよいでしょう。
ランボーについても
同じことを言っておきましょう。
 
さて
長い寄り道をしたようですが
中原中也の詩「夜更の雨」に戻ります。
 
この詩のサブタイトルに
――ヱ゛ルレーヌの面影――
とあるのが
まさしくヴェルレーヌのことです。
 
中原中也は
ヴェルレーヌの生涯の
どれほどのことを知って
この詩を作ったのでしょうか
 
 
 *
 夜更の雨
 
――ヱ゛ルレーヌの面影――
 
雨は 今宵も 昔 ながらに、
  昔 ながらの 唄を うたつてる。
だらだら だらだら しつこい 程だ。
 と、見るヱ゛ル氏の あの図体(づうたい)が、
倉庫の 間の 路次を ゆくのだ。
 
倉庫の 間にや 護謨合羽(かつぱ)の 反射(ひかり)だ。
  それから 泥炭の しみたれた 巫戯(ふざ)けだ。
さてこの 路次を 抜けさへ したらば、
  抜けさへ したらと ほのかな のぞみだ……
いやはや のぞみにや 相違も あるまい?
 
自動車 なんぞに 用事は ないぞ、
  あかるい 外燈(ひ)なぞは なほの ことだ。
酒場の 軒燈(あかり)の 腐つた 眼玉よ、
  遐(とほ)くの 方では 舎密(せいみ)も 鳴つてる。
 
(角川ソフィア文庫「中原中也全詩集」より)

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