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中原中也の詩に現われる色の色々6

その1

「ノート小年時」は
昭和2年から同5年6月15日まで
中原中也が使用していたと推定されているノートで
16篇の詩が記されてあります。

鉛筆で「小年時」とノートの表紙に書かれていることから
角川全集編集者が呼び習わしたものです。

アルチュール・ランボーの散文詩「少年時」に因(ちな)んで
ネーミングしたことがあきらかですが
中原中也は「少年時」というタイトルの詩を二つ書いたり
「山羊の歌」の第2章の章題とするなど
少年(小年)時代への強いテーマ意識(愛着)を持っていたことが知られています。

未発表詩篇「ノート小年時」に現われる「色」を
ピックアップしてみましょう。

「冷酷の歌」
恰度紫の朝顔の花かなんぞのように、

人は思いだすだろう、その白けた面の上に

「倦怠」
この真っ白い光は、

「夏は青い空に……」
夏は青い空に、白い雲を浮ばせ、

青空は、白い雲を呼ぶ。

白き雲、汝(な)が胸の上を流れもゆけば、

「木陰」
夏の昼の青々した木陰は

「夏の海」
浪は金色、打寄する。

「追懐」
私は此処にいます、黄色い灯影に、

「夏と私」
真ッ白い嘆かいのうちに、

真ッ白い嘆きを見たり。

16篇のうちの3~4割が
後で推敲されて発表されていますから
「生前発表詩篇」の中の詩の異形態であり
見覚えのあるものが随分あります。

「色」という角度では
特に目立つものはありませんが
だからといって「ノート小年時」によい詩が少ないなどということを帰納できるものではなく
またその逆を言えるものでないことを
くれぐれもカン違いしないでください。

その2

「早大ノート(1930年―1937年」には
およそ7年の間に制作された42篇の詩が収められています。
すべての詩は未発表です。

ノートは第1ページから最終ページへと
整然と書き進められたものではなく
日時によってあっちこっちから書き起こされた形跡があって
これに全集編集委員会は綿密な考証を加えた結果

第1詩群=昭和5年9月~同6年9月中旬(制作推定)
第2詩群=昭和6年9月22日~同6月10日(制作推定)
第3詩群=昭和7年(制作推定)
第4詩群=昭和7年秋~同11年9月(制作推定)
第5詩群=昭和11年9月末~同11年10月1日(制作推定)
第6詩群=昭和12年4月15日~同12年5月14日(制作推定)
――という六つの詩群に分類しました。

第5詩群は、「酒場にて(初稿)」「酒場にて(定稿)」の2篇、
第6詩群は、「こぞの雪今いづこ」の1篇だけしかありませんが
「晩年」の作品を含んでいるということに引かれます。

「こぞの雪今いづこ」は
長男・文也死後に作られた詩です。

これらの詩の中に現われる「色」をピックアップしましょう。

「干物」
外苑の舗道しろじろ、うちつづき、

「いちじくの葉」
いちじくの、葉が夕空にくろぐろと、

夕空に、くろぐろはためく

(風のたよりに、沖のこと 聞けば)
しらじらと夜のあけそめに、

雨風に、しらんだ船側(ふなばた)、

「悲しき画面」
それは、野兎色のランプの光に仄照(ほのて)らされて、

(吹く風を心の友と)
げんげの色のようにはじらいながら遠くに聞こえる

(秋の夜に)
世界は、呻き、躊躇し、萎み、
牛肉のような色をしている。

「コキューの憶い出」
あかあかと、あかあかと私の画用紙の上は、

「細 心」
白の手套(てぶくろ)とオリーヴ色のジャケツとを、

「秋の日曜」
青い空は金色に澄み、

(汽笛が鳴ったので)
白とオレンジとに染分けていた。

空は青く、飴色(あめいろ)の牛がいないということは間違っている。

僕の眼も青く、大きく、哀れであった。

(南無 ダダ)
青い傘
  植木鉢も流れ、

42篇にしては
「色」が現われる詩の数は少なく
その中でも目を引くのは

野兎色のランプの光
牛肉のような色
青い空は金色に澄み

――くらいでしょうか。

 

 

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