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夜更の雨/ベルレーヌへの途上で<10>ラフォルグ翻訳のかすかな反響

「夜更の雨」は
最終行
 
酒場の 軒燈(あかり)の 腐つた 眼玉よ、
  遐(とほ)くの 方では 舎密(せいみ)も 鳴つてる。
 
という、この2行にきて
それまで詩の大まかな流れを掴んだのだから
その流れの中で解釈すればいいものを
「腐った目玉」と
「舎密(せいみ)」で
立ち往生してしまう人が続出だとか。
 
ここは
深く考えるのではなくて
詩の醍醐味を味わうつもりで
想像力をフル動員して
詩句を味わうのが一番です。
旨いかまずいかなんて
だれも
教えてはくれません。
 
舎密を「せいみ」と読むのは
オランダ語で「化学」を意味するChemieの
発音をそのままひらがなで表記したものと
角川新全集などの解説書が指摘して
ジュル・ラフォルグの詩
「お月様のなげきぶし」の上田敏訳の一部を
使用例として掲出していますから
ここでは
その全行を見ておくことにします。
 
今、手元にあるのは
昭和28年3月15日発行の「牧羊神」(新潮文庫)ですから
旧漢字、歴史的仮名遣いですが
ここに引用するに当たっては
新漢字に直しました。
 
 ◇
 
お月様のなげきぶし
           ジュル・ラフォルグ
 
星の声がする
 
  膝の上、
  天道様の膝の上、
踊るは、をどるは、
  膝の上、
  天道様の膝の上、
星の踊のひとをどり。
 
――もうし、もうし、お月様、
そんなに、つんとあそばすな。
をどりの組へおはひりな。
金の頸環(くびわ)をまゐらせう。
 
おや、まあ、いつそ有難(ありがた)い
思召(おぼしめし)だが、わたしには
お姉様(あねえさま)のくだすつた
これ、このメダルで沢山よ。
 
――ふふん、地球なんざあ、いけ好(すか)ない、
ありやあ、思想の台(だい)ですよ。
それよか、もつと歴(れき)とした
立派な星がたんとある。
 
――もう、もう、これで沢山よ、
おや、どこやらで声がする。
――なに、そりや何(なに)かのききちがひ。
宇宙の舎密(せいみ)が鳴るのでせう。
 
――口のわるい人たちだ、
わたしや、よつぴて起きてよ。
お引摺(ひきずり)のお転婆(てんば)さん、
夜遊(よあそび)にでもいつといで。
 
――こまつちやくれた尼(あま)つちよめ、
へへへのへ、のんだくれの御本尊(ごほんぞん)、
掏摸(すり)の狗(いぬ)のお守番(もりばん)、
猫の恋のなかうど、
あばよ、さばよ。
 
衆星退場。静寂と月光。遥かに声。
  はてしらぬ
  空(そら)の天井(てんじょ)のその下(した)で、
踊るは、をどるは、
  はてしらぬ
  空(そら)の天井(てんじょ)のその下(した)で、
星の踊をひとをどり。
 

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