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中原中也のオノマトペ1「山羊の歌」前半部から

「色の詩人」であった中原中也は
詩の中にそして詩の外で
「音の詩人」としてもさまざま試みています。

外というのは
たとえば朗読、たとえば音楽集団「スルヤ」との交渉……。
中というのは
詩作になくてはならないほどの「技」として
語呂・語感・語勢を大切にしたり
韻律・音数律を駆使したり、
「ルフラン」や「オノマトペ」を多用していることなどです。

「色の色々」をピックアップした勢いで
今度はこの「オノマトペ」を見ていきます。
「色」が詩の全体から独立していることがなかったように
「オノマトペ」は詩全体の一部であり
詩の肉であり骨であり血であることさえありますから
これだけを取り出すことはナンセンスかもしれませんが
それをやります。

どのようなオノマトペがあったかな――
うろ覚えですっきりしないな――
一度頭の中を整理しておきたいな――
おさらいしておきたいな――
もう一度読み返したいな――
ビギン・ワンス・モア。
ビギナー・アゲイン。
再入門のつもり。

「文学」や「学問」や「研究」から遠く離れて
ひたすらにひたすらに「遊び」ですので
お気軽にお気楽にお読みください。

オノマトペとは
日本語では「擬態語」とか「擬音語」をひっくるめた「擬声語」の総称です。
音・声・ものごとの状態・心情などを具体的に感覚的に表す修辞法(レトリック)の一つ。
声喩(せいゆ)という場合もあり、喩(メタファー)の一つでもあります。
オノマトペには、ルフランが含まれているケースが多々あります。

語源は古代ギリシア語。
フランス語onomatopéeの発音ɔnɔmatɔpeがオノマトペに近いようです。


さっそく「山羊の歌」から拾っていきます。
370の詩篇を猛スピードで眺めることになるかもしれませんが
ここでもぶっつけ本番です。
寄り道するかもしれませんし
さっさと終わってしまうかもしれません。

「色」の場合は前後を無視して
「色」だけをフェティッシュ(即物的)に採取しましたが
「オノマトペ」は前後にも目を配ります。

ここでも「現代かな表記」にします。

「春の日の夕暮」
ただただ月のヌメランとするままに
従順なのは 春の日の夕暮か

ポトホトと野の中に伽藍(がらん)は紅(あか)く
荷馬車の車輪 油を失い

「サーカス」
頭倒(あたまさか)さに手を垂れて
  汚れ木綿(もめん)の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

観客様はみな鰯(いわし)
  咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻(かきがら)と
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

屋外(やがい)は真ッ闇(くら) 闇の闇
      夜は劫々(ごうごう)と更けまする
      落下傘奴(らっかがさめ)のノスタルジアと
      ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

「都会の夏の夜」
頭が暗い土塊(つちくれ)になって、
ただもうラアラア唱ってゆくのだ。

「黄 昏」
蓮の葉は、図太いので
こそこそとしか音をたてない。

「ためいき」
瘴気(しょうき)の中で瞬(まばた)きをするであろう。
その瞬きは怨めしそうにながれながら、パチンと音をたてるだろう。

「秋の夜空」
すべすべしている床の上、
金のカンテラ点(つ)いている。

以上「初期詩篇」を見ました。

ヌメランと
ポトホトと
劫々(ごうごう)と
ゆあーん ゆよーん
ラアラア
こそこそ
――などが際立っています。

「劫々と」は「こうこう」と読む人と
「ごうごう」と読む人に分かれます。
「こそこそ」は、擬音語カサカサがかぶさります。
ほかは、中原中也の独壇場。

意外に数は少ないのかもしれません。
今回はここまで。

 

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