生前発表詩篇〜詩篇 (インデックス)
(書き出し2行ほどの一覧です)
こんなにフケが落ちる、秋の夜に、雨の音は 〜暗い天候(二・三)
私はもう、嘘をつく心には倦きはてた。なんにも慈むことがなく、うすっぺらな心をもち、〜嘘つきに
神よ、私は俗人の奸策ともない奸策が いかに細き糸目もて編みなされるかを知っております。〜我が祈り
夜が更けて帰ってくると、丘の方でチャルメラの音が…… 〜夜更け
この利己一偏の女の子は、この小っちゃ脳味噌は、〜或る女の子
真ッ白い嘆かいのうちに、海を見たり。鴎を見たり。〜夏と私
チョンザイチョンザイピーフービー 俺は愁しいのだよ。〜ピチベの哲学
僕の血はもう、孤独をばかり望んでいた。それなのに僕は、屡々人と対坐していた。〜我がジレンマ
毎日寒くてやりきれぬ。瓦もしらけて物云わぬ。〜寒い!
雨の降るのに 肩が凝る 〜雨の降るのに
この街は、見知らぬ街ぞ、この郷は、見知らぬ郷ぞ 〜落 日
倦怠の谷間に落つる この真ッ白い光は、〜倦 怠
彼女等が、どんな暮しをしているか、彼女等が、どんな心で生きているか、〜女給達
うたい歩いた揚句の果は 空が白んだ、夏の暁だよ 〜夏の明方年長妓が歌った
私はもう歌なぞ歌わない 誰が歌なぞ歌うものか 〜詩人は辛い
眠れよ、眠れ、よい心、おまえの肌えは、花粉だよ。〜童 女
あああ、こんなに、疲れてしまった…… ―しずかに、夜の、沈黙の中に、〜深 更
書物は、書物の在る処。インキは、インキの在る処。〜白 紙(ブランク)
へとへとの、わたしの肉体よ、まだ、それでも希望があるというのか? 〜倦 怠
一夜 鉄扉の 隙より 見れば、海は轟き、浪は 躍り、〜夢
畳の上に、灰は撒き散らされてあったのです。僕はその中に、蹲まったり、坐ったり、〜秋を呼ぶ雨
ああ、家が建つ家が建つ。僕の家ではないけれど。〜はるかぜ
漂々と 口笛吹いて 地平の辺 歩き廻るは…… 〜漂々と口笛吹いて
何を読んでみても、何を聞いてみても、もはや世の中の見定めはつかぬ。〜現代と詩人
私は今日郵便局のような、ガランとした所で遊んで来たい。〜郵便局
草には風が吹いていた。出来たてのその郊外の駅の前には、地均機械(ローラー・エンジン)が 〜幻 想
白き敷布のかなしさよ夏の朝明け、なお仄暗い一室に、時計の音のしじにする。〜かなしみ
夕べが来ると僕は、台所の入口の敷居の上で、使い残りのキャベツを軽く、〜北沢風景
彼女には 美しい洋服箪笥があった 〜或る夜の幻想(1・3)
悲しい 夜更が 訪れて 菫の 花が 腐れる 時に 〜聞こえぬ悲鳴
星の降るよな夜でした 松の林のその中に、〜道修山夜曲
ひからびたおれの心は そこに小鳥がきて啼き 〜ひからびた心
⦅麦湯は麦を、よく焦がした方がいいよ。⦆⦅毎日々々、よく降りますですねえ。⦆〜雨の朝
母親はひと晩じゅう、子守唄をうたう 〜子守唄よ
渓流で冷やされたビールは、青春のように悲しかった。〜渓 流
毎日々々雨が降ります 去年の今頃梅の実を持って遊んだ弟は 〜梅雨と弟
君ら想わないか、夜毎何処かの海の沖に、火を吹く龍がいるかもしれぬと。〜道化の臨終(Etude Dadaistique)
僕は卓子(テーブル)の上に、ペンとインキと原稿紙のほかなんにも載せないで、〜夏
オヤ、蚊が鳴いてる、またもう夏か―― 死んだ子供等は、彼(あ)の世の磧から、〜初夏の夜に
暑い日が毎日つづいた。隣りのお嫁入前のお嬢さんの、〜夏日静閑
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