未発表詩篇〜ノート1924(1924年〜1928年)(インデックス)
(書き出し2行ほどの一覧です)
田の中にテニスコートがありますかい? 春風です 〜春の日の怒
正直過ぎては不可(いけ)ません 親切過ぎては不可ません 〜恋の後悔
自分の感情に自分で作用される奴は なんとまあ 伽藍なんだ 〜不可入性
天才が一度恋をすると 思惟(しい)の対象がみんな恋人になります。〜(天才が一度恋をすると)
風船玉の衝突 立て膝(ひざ)立て膝 スナアソビ 〜(風船玉の衝突)
親の手紙が泡吹いた 恋は空みた肩揺(ゆ)った 〜自 滅
あなたが生れたその日に ぼくはまだ生れていなかった 〜(あなたが生れたその日に)
俺は、俺の脚だけはなして 脚だけ歩くのをみていよう― 〜倦怠に握られた男
タタミの目 時計の音 一切が地に落ちた 〜倦怠者の持つ意志
最も弱いものは 弱いもの― 最も強いものは 強いもの― 〜初 恋
恋を知らない 街上の 笑い者なる爺(じい)やんは 〜想像力の悲歌
認識以前に書かれた詩―― 沙漠のただ中で 〜古代土器の印象
扇子と香水―― 君、新聞紙を絹風呂敷には包みましたか 〜初 夏
何故(なぜ)取れない! 何故取れない! 〜情 慾
筆が折れる それ程足りた心があるか 〜迷っています
塗板(トタン)がセンベイ食べて 春の日の夕暮は静かです 〜春の夕暮
幼き恋は 燐寸(マッチ)の軸木〜幼き恋の回顧
トランプの占いで 日が暮れました― 〜(題を附けるのが無理です)
何と物酷(ものすご)いのです 此の夜の海は 〜(何と物酷いのです)
テンピにかけて焼いたろか あんなヘナチョコ詩人の詩 〜(テンピにかけて)
仮定はないぞよ! 先天的観念もないぞよ! 〜(仮定はないぞよ!)
酒は誰でも酔わす だがどんな傑(すぐ)れた詩も 〜(酒は誰でも酔わす)
名詞の扱いに ロジックを忘れた象徴さ 俺の詩は 〜(名詞の扱いに)
酒 梅 原因が分りません 〜(酒)
最も純粋に意地悪い奴。私は悲劇をみて泣いたことはない 〜(最も純粋に意地悪い奴)
バルザック バルザック 腹の皮が収縮する 〜(バルザック)
ダック ドック ダクン チェン ダン デン 〜(ダック ドック ダクン)
古る摺(ず)れた 外国の絵端書―― 〜(古る摺れた)
結果から結果を作る 翻訳の悲哀―― 〜一 度
ツッケンドンに 女は言いっぱなして出て行った 〜(ツッケンドンに)
女 吹取紙(すいとりがみ)を早くかせ 〜(女)
頁 頁 頁 歴史と習慣と社会意識 〜(頁 頁 頁)
ダダイストが大砲だのに 女が電柱にもたれて泣いていました 〜(ダダイストが大砲だのに)
概念が明白となれば それの所産は観念でした 〜(概念が明白となれば)
成程(なるほど)共に発見することが楽しみなのか 〜(成 程)
過程に興味が存するばかりです それで不可ないと言いますか 〜(過程に興味が存するばかりです)
58号の電車で女郎買に行った男が 梅毒になった 〜(58号の電車で女郎買に行った男が)
汽車が聞える 蓮華(れんげ)の上を渡ってだろうか 〜(汽車が聞える)
不随意筋(ふずいいきん)のケンカ ハイフェンの多い生活 〜(不随意筋のケンカ)
夕刊売 来てみれば此処も人の世 〜旅
土橋の上で胸打った 胯の下から右手みた 〜呪 詛
化石にみえる 錯覚と網膜との衝突 〜真夏昼思索
人々は空を仰いだ 塀が長く続いてたために 〜(人々は空を仰いだ)
新聞紙の焦げる匂い 黒い雪と火事の半鐘― 〜冬と孤独と
暗い山合、簡単なことです、〜浮浪歌
まずいビフテキ 寒い夜 〜涙 語
ああ雲はさかしらに笑い さかしらに笑い 〜無 題
秋の日を歩み疲れて 橋上を通りかかれば 〜(秋の日を歩み疲れて)
かつては私も 何にも後悔したことはなかった 〜(かつては私も)
秋の日は 白き物音 むきだせる 舗石(ほせき)の上に 〜秋の日
緋(ひ)のいろに心はなごみ 蠣殻(かきがら)の疲れ休まる 〜無 題
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