中原中也の面白かわいいフレーズ<100選>
<中原中也の詩で後々まで印象に残る面白かわいいフレーズを集めてみました>
トタンがセンベイ食べて 〜春の日の夕暮
ゆあーん ゆよーん 〜サーカス
ただもうラアラア唱ってゆくのだ。〜都会の夏の夜
躁ぐ少女と嘲笑うヤンキイは いやだ いやだ! 〜秋の一日
鞄屋の女房の夕(ゆうべ)の鼻汁だ。〜深夜の思い
aé ao, aé ao, éo, aéo éo! 〜冬の雨の夜
ニコチンに、汚れたる歯を押匿す。〜凄じき黄昏
飛んで来るあの飛行機には、昨日私が昆虫の涙を塗っておいた。〜逝く夏の歌
雲母の口して歌ったよ、背ろに倒れ、歌ったよ、〜悲しき朝
たとえば狐の革裘(かわごろも)〜汚れっちまった悲しみに……
焦げて図太い向日葵(ひまわり)が 田舎の駅には咲いている。〜夏の日の歌
少児に踏まれし 貝の肉。〜夕 照
『ぎーこたん、ばったりしょ……』狸婆々(たぬきばば)がうたう。〜港市の秋
ピョートル大帝の目玉が、雲の中で光っている。〜ためいき
カドリール ゆらゆるスカーツ 〜春の思い出
千の天使が バスケットボールする。〜宿 酔
私はギロギロする目で諦(あきら)めていた…… 〜少年時
もう死んだっていいよう…… 〜妹 よ
にょきにょきと、ペエヴの上を歩むのだ。〜わが喫煙
月は襄荷(みょうが)を食い過ぎている 〜月
隣家は空に 舞い去っていた! 〜三歳の記憶
地球が二つに割れればいい 〜この小児
ジュピター神の砲(ひづつ)が鳴る。〜冬の明け方
えもいわれないカクテールです 〜冬の夜
ホラホラ、これが僕の骨だ、〜骨
濃いシロップでも飲もう 冷たくして、太いストローで飲もう 〜秋日狂乱
あーおい あーおい空の下 〜雲 雀
蒸気で出来た白熊が、沼をわたってやってくる。〜初夏の夜
海にいるのは、あれは人魚ではないのです。〜北の海
ベトちゃんだとは思うけど、シュバちゃんではなかったろうか? 〜お道化うた
雨の降る日は、殊にもぶきみ 晴れた日だとて、相当ぶきみ 〜思い出
畳の上に、寝ころぼう、蝿はブンブン 唸(うな)ってる 〜残 暑
大きい猫が頸ふりむけてぶきっちょに 一つの鈴をころばしている、〜春
その時子供は父母の膝下で蕎麦を食うべ。〜除夜の鐘
森の中では死んだ子が 蛍のように蹲(しゃが)んでる 〜月の光 その二
時を打つ前には、ぜいぜいと鳴った 〜村の時計
ぞろぞろぞろぞろ出てくるわ、出てくるわ出てくるわ 〜正 午
ハイ、ではみなさん、ハイ、御一緒に―― テンポ正しく、握手をしましょう。〜春日狂想
丘の方でチャルメラの音が…… 〜夜更け
この小っちゃ脳味噌は、〜或る女の子
思い出の破片の翻転(ほんてん)するをみたり。〜夏と私
チョンザイチョンザイピーフービー 〜ピチベの哲学
一切合切(いっさいがっさい)キリガミ細工 〜夏の明方年長妓が歌った
飛行機虫の夢をみよ、クリンベルトの夢をみよ。〜童 女
私は、何にも驚かぬ。却(かえっ)て、物が私に驚く。〜白 紙(ブランク)
ああ、家が建つ家が建つ。僕の家ではないけれど。〜はるかぜ
「リンカンさん」「なんですか」〜幻 想
夢の中で、彼女の臍(おへそ)は、背中にあった。〜或る夜の幻想(1・3)
ひからびてひからびてひからびてひからびて 〜ひからびた心
ああ、今頃もう、家ではお饅じゅうが蒸かせただろうか? 〜雨の朝
渓流で冷やされたビールは、青春のように悲しかった。〜渓 流
工場の正午は 鉄の先端で光が眠る 〜(ダック ドック ダクン)
飴(あめ)に皮がありますかい 〜(頁 頁 頁)
今日天からウヅラ豆が 畠の上に落ちていました 〜(58号の電車で女郎買に行った男が)
「これを行ったらどんなごみためがめつかるだろう?」〜冬と孤独と
悪魔の伯父(おじ)さん、おじゃったおじゃった。〜秋の愁嘆
マグデブルグの半球よ、おおレトルトよ! 〜地極の天使
死んでゆく牛はモーと啼(な)いた。〜屠殺所
マダガスカルで出来たという、このまあ紙は夏の空、〜詩人の嘆き
百合の少女の眼瞼の縁に、露の玉が一つ、あらわれた…… 〜間奏曲
秋の日は、干物の匂いがするよ 〜干 物
台所や便所の掃除こそ大事だなぞという教訓を、お忘れなされ。〜(休みなされ)
人の心はせわしい。なんとなく きらびやかで淋しい。〜浮 浪
私の胃袋は、金の叫びを揚げた。〜砂漠の渇き
食べるによろしい。――ああ、よろしい! 〜(そのうすいくちびると)
おそらく私は、馬鹿面(ばかづら)さげていた。〜夜空と酒場
万年草(まんねんぐさ)を売りに出ていた、植木屋の爺々(じじい)を僕は憶う。〜夜 店
ポロリ、ポロリと死んでゆく。みんな別れてしまうのだ。〜(ポロリ、ポロリと死んでゆく)
アババババ、アババババ、〜(七銭でバットを買って)
チェッ、結構な佃煮(つくだに)だい。〜(それは一時の気の迷い)
チュウインガムも噛みたくはない。〜(南無 ダダ)
貯金帳を振り廻(まわ)して、永遠に走ろう 〜(頭を、ボーズにしてやろう)
カワイラチイネ、〜嬰 児
チャッチャつぎませコップにビール 〜青木三造
立っているのは、材木ですじゃろ、〜材 木
女はみんな瓜だなも。〜幻 想
キャラメル食べて ゴムマリは、ギッタギダギダ 〜修羅街挽歌 其の二
トタン屋根と桜花とのチャンポンである。〜(とにもかくにも春である)
太っちょの、船頭の女房は、かねぶんのような声をしていた。〜夏の記臆
象の目玉の、汽笛鳴る。〜童 謡
俺はおもちゃで遊ぶぞ 一生懸命おもちゃで遊ぶぞ 〜玩具の賦
雀の声は生唾液(なまつばき)に似ていた。〜夜明け
お葱(ねぎ)が欲しいと思いました 〜朝
「夜は早く寝て、朝は早く起きる!」〜咏嘆調
ヒラヒラと舞う小妖女(フェアリー)に 〜秋岸清凉居士
僕の眼も青く、大きく、哀れであった。〜(汽笛が鳴ったので)
あなたはそんなにパラソルを振る 〜別 離
開いて、いるのは、あれは、花かよ? 〜(なんにも書かなかったら)
噛(か)んでやれ。叩いてやれ。吐き出してやれ。〜初恋集
僕は僕が破裂する夢を見て目が醒(さ)めた。〜(秋の夜に)
ウー……と、警笛が鳴ります、ウウウー……と 〜十二月(しわす)の幻想
ソーダ硝子(ガラス)のような眼と唇とを持つ男、〜さまざまな人
女よ、美しいものよ、私の許(もと)にやっておいでよ。〜女 よ
ポイ と音(おと)して唾(つば)とんでった 〜大島行葵丸にて
耳ゴーと鳴って、柚子酸(ゆずす)ッぱいのです 〜断 片
つやがー出る、つやがー出る 〜(丘の上サあがって、丘の上サあがって)
たんたら、らららら、雨が、降る。〜雨が降るぞえ
唱歌教室で先生が、オルガン弾いてアーエーイー、〜夏と悲運
汽車が速いのはよろしい、許す! 〜(嘗てはランプを、とぼしていたものなんです)
その殻は割れ 中より実 はみだせ! 〜(不気味な程の静寂…)
<スポンサーリンク>
« 中原中也のオノマトペ<31選> | トップページ | 詩集「山羊の歌」(インデックス) »
「カテゴリー別アーカイブ」カテゴリの記事
- 未発表詩篇〜草稿詩篇(1925年~28年)(インデックス)(2013.08.19)
- その他の詩篇(インデックス)(2013.08.21)
- 未発表詩篇〜草稿詩篇(1937年)(インデックス)(2013.08.21)
- 未発表詩篇〜療養日誌・千葉寺雑記(1937年)(インデックス)(2013.08.21)
- 未発表詩篇〜草稿詩篇(1933年~36年)(インデックス)(2013.08.21)