夏
67 夏の日は偉人のごとくはでやかに今年もきしか空に大地に
68 俄(にわ)かにも雲りし夏の大空の下に木の葉は静かにゆらぐ
69 去りてゆく別府の駅の夜はさびし雨降り出でて汽笛なりけり
70 人みなを殺してみたき我が心その心我に神を示せり
71 世の中の多くの馬鹿のそしりごと忘れ得ぬ我祈るを知れり
72 我が心我のみ知る!といいしまま秋の野路に一人我泣く
73 そんなことが己の問題であるものかといいこしことの苦となる此頃
74 やわらかき陽のさして来る青空を想いて悲しすさぶ我が心