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末黒野

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迷っています

 
筆が折れる
それ程足りた心があるか
だって折れない筆がありますか?

聖書の綱(つな)が
性欲のコマを廻(まわ)す

原始人の礼儀は
外界物(がいかいぶつ)に目も呉(く)れないで
目前のものだけを見ることでした

だがだが
現代文明が筆を生みました
筆は外界物です
現代人は目前のものに対するに
その筆を用いました
発明して出来たものが不可(いけ)なかったのです
だが好(い)いとも言えますから――
僕は筆を折りましょうか?
その儘(まま)にしときましょうか?
 

▶音声ファイル(※クリックすると音が出ます)

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ひとくちメモ

「迷つてゐます」は

少なくとも

詩人が

タイトルを付けた作品です。

もう

ほとんど

嘘じゃない

飾っていない

赤裸々に

ストレートに

自分をさらけ出しています。

迷っています

というのは

本当のことなのでしょう

掛け値なしに

詩人は迷っているのです。

それも

恋のために

性欲のために

筆は

性欲の反対物です。

性欲に

筆が

折れそうになっています。

それを

詩人は

隠そうともしません。

 

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