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(風船玉の衝突)

 
風船玉の衝突
立て膝(ひざ)
  立て膝
スナアソビ
心よ!
幼き日を忘れよ!

煉瓦塀(れんがべい)に春を発見した
福助人形の影法師(かげぼうし)
孤児の下駄が置き忘れてありました
公園の入口
ペンキのはげた立札

心よ!
詩人は着物のスソを
狂犬病にクイチギられたが……!
 

▶音声ファイル(※クリックすると音が出ます)

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ひとくちメモ

「ノート1924」5番目の作品
(風船玉の衝突)に
恋や女は消えたようですが……。
 
これまでの4作品とは
筆記具も筆跡も変わっていることから
制作された日も
異なることが推測されていますが
1924年の春に変わりはないようです。
 
詩人は
泰子との衝突から逃れて
外へ出ます――。
 
立て膝をするのは
泰子か
詩人か
遠い日の思い出なのか
砂遊びの光景が
浮んできますが
回想する自らに
幼き日を忘れるように命じます。
 
ここは京都の街
春はレンガ塀に
いつのまにか訪れ
ぼくは
福助人形の影法師になって
映っている――。
 
(福助人形をぼくではなく
故郷の父親か祖父かのメタファーと
解釈することも可能です)
 
親のない子の下駄が
置き忘れられてあるのは
公園の入口
そこには
ペンキのはげた立札もポツンと……。
 
ここに
詩人がいます
故郷を飛び立ち
今しばし
泰子を離れた
孤立した魂
 
春爛漫なのではありません
ぼくの着物のスソは
狂犬病者に
食いちぎられてしまった……。
 
途中で
終わってしまった
未完成の詩を
一つの一貫した
ストーリーとして読み通すことなんてできません
やってはいけないことです。
 
ここに
歌われようとしているのは
幼き日の思い出とかを
退路にしようとする
自身への戒めでしょうか。
 
狂犬病の比喩は
いかにも物騒ですが
これは
ダダ的誇張
仮に
泰子の影をここに見たとしても
恋が損傷されるものではありません。
 
 

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