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初 恋

 
最も弱いものは
弱いもの――
最も強いものは
強いもの――

タバコの灰は
霧の不平――
燈心(とうしん)は
決闘――

最も弱いものが
最も強いものに――
タバコの灰が
燈心に――
霧(きり)の不平が
決闘に
嘗(かつ)てみえたことはありませんでしたか?
――それは初恋です
 

▶音声ファイル(※クリックすると音が出ます)

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ひとくちメモ

すべての人間は死すべきものである。

ソクラテスは人間である。

ゆえにソクラテスは死すべきものである。

というのが

三段論法というのならば

「初恋」で示された論理は

反三段論法とでもいうのでしょうか

無論理没論理非論理でしょうか――。

それとも

もっと他の

詭弁とか屁理屈とか

矛盾とか

循環論理とか

弁証法とか

飛躍とか

韜晦とか

目くらましとか

詐術とか

魔術とか

……

それとも

逆もまた真なり

という論理なのでしょうか――。

初恋を説明するのに

論理もヘッタクリもないのに

しつこく論理的であろうとするところに

初恋の青っぽい甘味があるともいえますが

どこか得意気な調子が

ほほえましいダダ詩です。

 

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