(バルザック)
バルザック
バルザック
腹の皮が収縮する
胃病は明治時代の病気(モノ)らしい
そんな退屈は嫌で嫌で
悟ったって昴奮(こうふん)するさ
同時性が実在してたまるものか
空をみて
涙と仁丹(じんたん)
雨がまた降って来る
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ひとくちメモ
芸術論を
応戦しなければならない時には
ストレートな物言いになって
ダダイズムは後退しましたが
さて
一通り言うべき最低限を言ってしまってからは
またダダイズムの詩が現れます。
バルザックは
中原中也にとって
象徴詩以前
詩以前の
散文家ですが
詩人は
高く評価し
尊敬の念さえ抱いていた
文豪です。
と指摘するのは
大岡昇平ですから
ま
中原中也第一次情報とみなしても
おかしくないほど信憑性(しんぴょうせい)は高い
とはいえることでしょう。
ところが
(バルザック)は
手放しで
文豪を褒めているものではないようで
むしろ
批判しているみたいです。
収縮する
胃病
病気
退屈は嫌で嫌で
悟った
……
はっきりとは掴めませんが
肯定的ではなく
否定的な語句が並びます。
涙と仁丹は
同じものですか
空を見りゃ
涙か仁丹か
真ん丸の粒
雨が降ってくる、のですから……
難解になった分
ダダ詩としての完成度は
高くなった感じです。
イメージが拡散しないで
収斂(しゅうれん)していきます。
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