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末黒野

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冷たい夜

 
冬の夜に
私の心が悲しんでいる
悲しんでいる、わけもなく……
心は錆(さ)びて、紫色をしている。

丈夫な扉の向うに、
古い日は放心している。
丘の上では
棉(わた)の実が罅裂(はじ)ける。

此処(ここ)では薪(たきぎ)が燻(くすぶ)っている、
その煙は、自分自らを
知ってでもいるようにのぼる。

誘われるでもなく
覓(もと)めるでもなく、
私の心が燻る……
 

▶音声ファイル(※クリックすると音が出ます)

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ひとくちメモ

「冷たい夜」は、

「四季」の昭和11年(1936年)2月号に

発表された作品。

同年1月の制作と推定されています。

詩人は前年12月に、

同誌の同人になりましたから、

「四季」同人としての初作品です。

ここでは、

冬の寒い夜の

私の気持ちが歌われているのですが

私とは、詩人であり

詩作の困難さも歌われています。

詩人論の歌として読んでも

面白い歌ということになります。

冬の夜に

私の心は悲しんでいる

わけもなく、悲しんでいる

心は錆びちゃって、紫色に固まっている

私は頑丈な扉の中に閉ざされていて

扉の向こうには

昔のことがほったらかしになったままだ

丘の上では

綿の実がはじけている、というのに。

ここでは、薪が燃え燻って

煙が立ち上っているが

煙は、自ら、燃えていないことを知るかのように

心細げに上っている

誘われるでもなく

求めるでもなく

頼りなげに立ち上っている煙は

私を見るようで

私の心さへ燻っているよ。
 
 

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